人虎

現代の英語には残っていないが、古代の英語には「人、人間」を意味する単語として、「man」の他に「beorn,guma,rinc,secg,wer」などがあったらしい。もちろん、「person」とか「human」といったギリシア/ラテン起源の単語はその時代の英語にはない。
西方にいる李徴の同族は「weretiger」と呼ばれるが、これは「wer」+「tiger」、つまり漢語の「人虎」と全く同じ意味である。


それにしても古代の英語って、冠詞で格を表したり、男性・中性・女性の区別があったりと、まるでドイツ語みたいである。字面を見ても全く意味が分からない。

Se feōnd drep þone cyning sweorde.
(敵は王を剣で打った。)

かろうじて分かるのは 剣 = sweorde ぐらい。cyning は現代英語のking、ドイツ語のKönigだろうけど、ぱっと見では分からない。