Visual Studio Codeで がじぇるね の開発 (C++)

Visual Studio CodeGADGET RENESAS(がじぇるね)の開発をする裏技です。

  • GR-SAKURAとGR-CITRUSで確認ずみ。
  • Windowsで確認ずみ。Macでもたぶんできるはず。Linuxは未対応。
  • Arduinoベース(C++言語)での開発です。Rubic / mrubyではありません。
  • Visual Studio CodeArduino拡張機能Arduino IDEIDE for GRを使用します。
  • GR-KURUMI、GR-ROSE、GR-PEACHなどではエラーが出ます。これについては調査中です。
  • これはあくまで裏技です。うまくいかなくても自己責任でお願いします。

方針

がじぇるねにはIDE for GRというArduino IDEから派生したローカル開発環境があり、Arduinoベース(C++言語)での開発ができます。

まずこのIDE for GRに含まれるツールチェーン、プラットフォーム設定ファイル、ボード設定ファイルなどを本家のArduino IDEから利用できるようにします。これにより本家Arduino IDEで がじぇるね の開発ができるようになります。

あとは、VSCodeArduino拡張機能を利用すれば、VSCodeで がじぇるね の開発ができます。

手順

ツールのインストール

まずVSCodeArduino拡張機能、および本家Arduino IDEをインストールします。Arduino拡張機能については下記の記事を参考にしてください。

lipoyang.hatenablog.com

また、IDE for GRのzipを下記サイトからダウンロードして適当な場所に解凍しておいてください。

gadget.renesas.com

ファイルのコピー

解凍したIDE for GRのフォルダから、ドキュメントのArduinoフォルダにファイルをコピーします。ドキュメントのArduinoフォルダとは、Windows10では通常 C:/Users/ユーザ名/Documents/Arduino です。

まず、ide4gr-x.xx/hardware/arduinoフォルダを、名前を renesas に変更したうえで Arduino/hardware/ へコピーしてください。次に、ide4gr-x.xx/hardware/toolsフォルダを Arduino/hardware/ へコピーしてください。同名のフォルダが既にある場合、Windowsでは勝手に結合してくれますが、Macだとうっかりすると置き換えになるので必ず「結合」を選択してください。

ディレクトリ構造は下図のようになります。

f:id:licheng:20191026233650p:plain

platform.txt の編集

さきほどコピーした Arduino/hardware/renesasフォルダの下の各サブフォルダの中にある platform.txt を編集します。サブフォルダはプラットフォーム(マイコン種別)ごとに分けられており、下記のように各ボードと対応しています。

  • rl78g13 : GR-KURUMI, GR-COTTON, GR-ADZUKI
  • rx63 : GR-SAKURA, GR-CITRUS
  • rx64m : GR-KAEDE
  • rx65n : GR-ROSE
  • rza1h : GR-PEACH
  • rza1lu : GR-LYCHEE

ここでは GR-SAKURA, GR-CITRUS に対応する rx63/platform.txt の場合を説明します。他のプラットフォームの場合も同様なはずですが、前述のとおりいろいろエラーが出てうまくいきません。いっそ使わないプラットフォームはフォルダごと削除してもよいでしょう。

rx63/platform.txt を開くとツールチェーンのパスやオプションなどの指定が記述されています。この中で下記の3種類の文字列を書き換えます。テキストエディタの置換機能などを利用すればよいでしょう。

  • {runtime.ide.path}/hardware/tools
    {runtime.hardware.path}/../tools
  • {runtime.ide.path}/hardware/arduino/rx63
    {runtime.hardware.path}/rx63
  • -Ihardware/arduino/rx63
    -I{runtime.hardware.path}/rx63

実行

VSCodeで適当なスケッチのフォルダを開き、ボード選択で がじぇるね のボードが選択できることを確認します。(undefined)という表示はとりあえず無視します。

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ボードを接続し、Ctrl+Alt+Uでスケッチをビルド/書き込みできることを確認します。

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