のび太郎のこと

要旨

神話とか聖書とかって、結局こういうことなんだろうと思う。
あるいは古代史も。

「正史」から抹消された「のび太郎」

  • 雑誌連載時、『ドラえもん』とは独立して『ドラミちゃん』という作品があった。
  • のび太郎は、のび太と瓜二つの親戚で『ドラミちゃん』の主人公だった。
  • てんコミ収録 (正史の編纂) の際、『ドラミちゃん』は『ドラえもん』に統合される。
  • のび太郎の存在は抹消され、そのエピソード群はのび太のものとなる。
  • 他の登場人物についても名前と顔を修正 (改竄) される。
  • しかし無理やりな編入のため、不自然な点が多々残る。

おもな人物の対応

『ドラミちゃん』 ドラえもん 備考
野比のび太 野比のび太 顔はもともと瓜二つ。名前を修正
野比のぶ子 野比玉子 顔を修正。名前は修正もれあり (※)
カバ田 ジャイアン 顔を修正。妙に小柄なジャイアンになる
ズル木 スネ夫 身長が違いすぎるため、名前も顔も修正されずに残る
みよちゃん しずちゃん 顔を修正。名前は修正もれあり (※)
戸手茂できる 出木杉英才 出木杉のほうが後発のキャラ

※ 現在は修正もれも修正されているらしい。

残る違和感

以上のような歴史的経緯を知らなかった子供のころ、子供心にも違和感をおぼえていた。

  • 唐突にドラミが登場し、ドラえもんが不在の回がある。
  • ドラミ回ではレギュラーキャラの名前や顔がおかしい。
  • ドラミ回ではのび太の性格が妙にアグレッシブで知的なことがある。


文献学

掲載誌 上:掲載時のタイトル
下:大全集(※) 収録時
てんコミでのタイトル てんコミ 収録巻
小学館BOOK
1974年1月号
じゅん番入れかわりきの まき
じゅん番入れかわりそうち
(未収録) (未収録)
小学館BOOK
1974年2月号
のび太郎 テレビ出えんの まき
のび太郎 テレビ出えん
テレビ局をはじめたよ 第11巻
小学館BOOK
1974年3月号
どこへでも 行ける 「ふしぎな ドア」の まき
ふしぎなドア
山奥村の怪事件 第7巻
小学生ブック
1974年5月号
ふしぎなキャンデーのまき
ふしぎなキャンデー
ウラシマキャンデー 第9巻
小学生ブック
1974年6月号
ここほれワイヤーの巻
ここほれワイヤー
地底の国探検 第5巻
小学生ブック
1974年7月号
海底ハイキングの巻
海底ハイキング
海底ハイキング 第4巻
小学生ブック
1974年8月号
公園のネッシーのまき
公園のネッシー
ネッシーが来る 第6巻
小学生ブック
1974年9月号
とう明人間のまき
とう明人間
とう明人間目ぐすり 第8巻

(※) 藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん (20) この巻には上記の改竄前と改竄後の全話が収録されているので見比べることができる。

(ドラミ - Wikipedia より)

まとめ

聖書のヤハウェエロヒムもこんなふうに…おや、誰か来たようだ。