荘子

有甚憂、両陥而無所逃、[陳虫][虫享]不得平、心若県於天地之間。慰暋沈屯、利害相摩、生火甚多、衆人焚和。月固不勝火。於是乎有頽然而道尽。
(『荘子』外物篇 第二十六より)

(意訳)
ひどい憂鬱があると、体内の調子が狂い、対外的にも調子が狂い、内外両方とも逃げ場所がなくなり、落ち着きがなくなり安らぎが得られず、心は天地の間で宙吊りになったみたいになる。憂鬱な心が乱れて、得ることと失うことの情欲がせめぎあうと心の中に大きな火がおこって、人は和やかさを焼きつくしてしまう。円満な和やかさというものは火には勝てないものなのだ。こうして崩れ落ちるように人の中にあるタオは尽き果ててしまう。