2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

歴史の中央と周縁 その2

一方、ヨーロッパでも異民族の果たした役割は大きい。漢→唐の流れと相似するのはローマ→フランクである。属州からの搾取と奴隷制に基盤をおく帝国秩序は、帝政末期になると有力者の大所領が帝国の行政からしだいに独立して帝国の権力が弱まり、また地中海支…

歴史の中央と周縁 その2

三田村館長萌え萌え〜 というのはおいといて、昨日の話の続き

歴史の中央と周縁 その1

16世紀以降のアジアの歴史は、周縁民族(主として遊牧民族)が定住民族の文明の前に敗北したことによって決定されたように思う。厳密には最後の遊牧国家ジュンガルが滅びるのは1758年だが、これにより康熙・雍正・乾隆の3代にわたる清帝国の版図拡大が完成し…

中国語と漢字

漢字は表意文字であるとよく言われる。たしかに日本においてはそうである。たとえば「犬」という漢字は[いぬ]と読もうが、[ケン]と読もうが、哺乳類食肉目イヌ科・学名Canis familiarisという動物を意味する。しかし、言うまでもないが漢字は本来、中国語を…

ややっ!

shagaくんの指摘どおり、coolでは外部からのCGIの呼び出しを禁止されてました。 すみません。m(_ _)m カウンタは撤去しておきます。 まあ、あまりよろしくないことだろうとは思ってました。ただ、この日記はいちおう、coolにトップページがある「滴了庵」の…

篆書体の論語

儒教というのは、倫理的で理性的な思想だ。「論語」はその聖典であるから、すごくキマジメなイメージがある。四角張った楷書体で真っ白い紙に書かれているさまが頭に浮かぶ。だが、少し考えてみれば分かることだが「論語」の成立は春秋時代。まだそのころは…

おフランス

いやはや、週末からダウンしておりました。ようやく復活。 どうも気が滅入ると何もやる気が起きなくなります。なんか身の回りの全てが陳腐で、アトラクティブに感じられなくなります。こういうときは目先を変えて新しいことに着手するのが吉です。 というわ…

封神演義

「封神演義(ほうしんえんぎ)」という古典がある。「三国志演義」「西遊記」「水滸伝」などとならぶ中国明代に成立した娯楽文学のひとつだ。10年ほど前に週刊少年ジャンプ連載の藤崎竜のマンガで割と有名になった (もっともあのマンガはアレンジというよりも…

ま、中国といえばとりあえず4000年だから

よく「中国四千年の歴史」などという。なぜ四千年なのかよく分からないが、とにかく黄河文明はエジプト、メソポタミア、インダスとならぶ古代四大文明の一つであり、かつその中で唯一現代まで生き残ったものである。他の三文明はみな紀元前の昔に滅んでいる…

首長

イスラム諸国の元首の中には、「首長」という称号の人たちがいる。「首長」とはいったい何か? 語感から言って、「皇帝」や「王」よりは格下っぽい。「皇帝」というとかつてはオスマントルコ帝国やペルシャ帝国がそうであったし、「王」というと、サウジアラ…

金魚鉢ミーティング?

今日、会社の会議室のドアに「金魚鉢MTG」という張り紙がしてあった。「金魚鉢ミーティング」?...いったいどんなミーティングが行われているのだろうか? ドアのすりガラスからは灯りがもれていて、中にはたしかに人の気配がある。 昼休みにおそるおそる…

機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者

今日は有休。午前中は心斎橋まで足をのばす。ツギハギ映画を観に。 ツギハギ映画というのは、「機動戦士Zガンダム A New Transrlation 星を継ぐ者」である。「Zガンダム」という20年も前のテレビアニメを再編集し、新作カットを追加して録音し直すという、…

ハリファ

引き続き、サラたんがらみの話題。サラたんはサラ・ハリファという名前で、アラブのQ首長国の王族という設定だ。サラという西洋っぽい名前がアラブにあるかどうか知らないが、ハリファとは"Khalifa"すなわち「カリフ」ではないか!? 「カリフ」というのは、…

エスニックとは?

昨日の日記で「エスニック」という言葉を使ったが、「エスニック」の定義とはいったい何だろうか? エスニック料理、エスニック雑貨、エスニックファッション... エスニック・マイノリティー、エスニック・クレンジング...だいたいこの2系統の用法があるが、…

三田村館長も好きだけど

ご存知のようにGoogleのトップページのロゴは、ときたま一日限定でデザインが変わる。クリスマスとか、バレンタインとかにその日にちなんだデザインになるのである。で、一昨日の6月8日もロゴが変わっていた。 これは、フランク・ロイド・ライトの建築ではな…

魚のハラワタ

古いノートを整理していたら、漢文訓読体の文章が出てきた。昔から古典が好きな僕はよく漢文体を真似た文章を書いたものだった。ここに載せるのは、大学時代の友人 江●氏に関するエピソードを記したものだ。文体だけでなく、文章の構成も非常に漢文的。原文…

中世の制度と宗教

中世、それは古代と近世という二つの秩序のはざまにあった混沌である。ユーラシアの東と西の端、日本と欧州に共通して中世という長い混沌の時代があったことは注目に値する。道元、一休宗純、マイスター・エックハルト、ウィリアム・オッカムなどなど、混沌…

日本語の動詞と形容詞

この文章は10年前の1995年に書いたものです。古いノートを整理して見つけました。 日本語において、動詞と形容詞の区別はそれほど本質的でないように思える。周知のごとく、英語では文の述語となりうるのは動詞のみであり、叙述用法の形容詞は必ず"be"などの…

哲学とphilosophy

「哲学」という語は、英語の"philosophy"にあたる語だが、昔から日本にあった語ではない。明治時代に西周(にし あまね)という人が"philosophy"の訳語として考案した語である。このように明治になって西洋の言葉を訳すために実に多くの漢字語が作られた。「科…

あっち系で町おこしか?

栃木県にさくら市という市ができた。氏家町、喜連川町の合併によるものである。喜連川町といえば江戸期に喜連川藩の所領であった町であり、石高は実質1万石に満たない小藩ではあったが、藩主の喜連川家は古く古河公方(こがくぼう)の流れを継ぐ家柄で、10万…

威風時刻

「威風時刻」というのは、B'zの「Easy Come, Easy Go!」の中国語カバー曲である。歌っているのは孫耀威(エリック・ソン)というカワイイ系の兄ちゃんで、「懷玉公主」というドラマ(こちらは見たことないけど)のOPらしい。 外国語、とりわけ中国語を発音する…

子馬を村人ひどく殴る

スペイン、ポルトガルというと、ヨーロッパ南西部のイベリア半島の国であるが、同じヨーロッパ人にとっても、スペイン、ポルトガルは異国情緒あふれる国のようだ。水ぬるむ陽気な南国ということもあろうが、それならイタリアだってそうだ。スペイン、ポルト…

横文字と縦文字

「アジア」という言葉を僕らはよく使うが、よくよく考えるとこれはかなり乱暴な用語である。現在、ユーラシアには、ヨーロッパ文明、イスラム文明、インド文明、そして我々の東洋文明という大きく4つの文明圏があると僕は見ている。「アジア」という言葉は、…

Next Generation

世代の「世」という字は、「十」を3つ横につなげた"30"を意味する文字に由来するという。子が親を継ぎ、その子に譲るまで約30年をもって1世なのである。 今年は戦後60年。終戦から2世をへたことになる。僕が生まれたは今から約30年前の1976年 (左…