エスニックとは?

昨日の日記で「エスニック」という言葉を使ったが、「エスニック」の定義とはいったい何だろうか?

  1. エスニック料理、エスニック雑貨、エスニックファッション...
  2. エスニック・マイノリティー、エスニック・クレンジング...
だいたいこの2系統の用法があるが、どちらも概して「民族」と訳すことが可能だ。民族料理、民族雑貨、民族衣装、少数民族民族浄化といった具合に。
だが、単純に「エスニック」=「民族」かというとそうではない。メキシコ料理やタイ料理はエスニック料理と呼ばれるが、中華料理やフランス料理をエスニック料理とはいわない。(1)の用法のエスニックとはだいたい、中南米、東南アジア、インド、中東、アフリカである。つまり欧米と東洋以外をエスニックと(我々日本人は)呼んでいる。つまり異民族の標準的でない民族的特徴を持つものがエスニックである。我々自身が属する東洋の文化をエスニックとは呼ばないし、モダンであり事実上グローバルスタンダードとなっている欧米の文化をエスニックとは呼ばない。(欧米人にとっては日本や中国もエスニックなのかもしれない。)
一方、(2)の用法は、ある国において、少数派である、あるいは数は多くとも支配的でない民族を指す。日本であればアイヌやウチナーンチュやコリアン、中国であればチベット族ウイグル族モンゴル族や壮族や回族やミャオ族や(ほか多数)、アメリカであれば黒人やヒスパニックやアジア系やネイティブ・アメリカンエスニック・クレンジングというと、旧ユーゴでのセルビア人政権によるムスリム人のジェノサイドでよく聞かれるようになった言葉である。
要するに(1)、(2)ともマイナーな特徴を持つ民族ということだ。あらためて辞書を引くと

a. 人種の, 民族の; 民族[人種]学(上)の; 少数民族[人種]の;
  異教の; 異国情緒の, 風変わりな.
n. 少数民族の人.
(goo辞書 三省堂提供「EXCEED 英和辞典」より)