Next Generation

 世代の「世」という字は、「十」を3つ横につなげた"30"を意味する文字に由来するという。子が親を継ぎ、その子に譲るまで約30年をもって1世なのである。
 今年は戦後60年。終戦から2世をへたことになる。僕が生まれたは今から約30年前の1976年 (左のプロフィールのキャラ設定では、唐の開元12年(西暦736年)生まれとなってるけど)。僕の父がうまれたのが終戦前の1944年。つまり僕はだいたい終戦から今までの中間点にうまれた戦後2世の人ということになる。
 父の前半生である戦後1世と、僕の今日まで人生である戦後2世とを比較すると、戦後復興から高度経済成長と社会が激変した戦後1世にくらべて、戦後2世はそれほど激しい変化は無かったように思う。もちろん、僕が生まれた頃はパソコンやケータイやインターネットといった情報・通信機器は普及してなかったけれど、冷蔵庫や洗濯機やテレビやエアコンといった生活の基盤となる家電はだいたい普及していたし、今も根本的に大きくは変わっていない。
 父が高校生の頃は、JR大和路線(当時は国鉄関西本線)にはまだ機関車が走っていたというが、僕が物心ついたころから今にいたるまで、大和路線には同じ型の緑色の電車が走り続けている。父が子供の頃は、大和川が学校のプール代わりだったというが、僕が物心ついたころから今にいたるまで、大和川は濁った水で土が臭い匂いを放つ汚れた川である。こういう例はいくらもある。父の世代の昔話を聞くと、僕らが生まれる前の30年間に恐ろしく世の中が激変したのだと感じる。
 時間の流れは均一ではなく、歴史には緩急というものがある。戦後復興から高度成長の激動の戦後1世。未曾有の繁栄から停滞への戦後2世。ではその次はどうなるのだろう? これから30年。僕が定年を迎えるころ、日本はどうなっているだろう? 次の世代に何を伝え、何を遺せるのだろう?