篆書体の論語

儒教というのは、倫理的で理性的な思想だ。「論語」はその聖典であるから、すごくキマジメなイメージがある。四角張った楷書体で真っ白い紙に書かれているさまが頭に浮かぶ。だが、少し考えてみれば分かることだが「論語」の成立は春秋時代。まだそのころは楷書体も製紙技術もないので、クニャクニャの篆書体で木簡か竹簡に書かれていたはずである。クニャクニャの文字で書かれた「論語」というのは少し想像しにくい。だが、春秋・戦国時代の儒家たちはクニャクニャ文字の「論語」を読んで君子の道を学んでいたのである。
あるいはひょっとして文字だけの問題ではないかもしれない。「儒」は周代のシャーマニズム孔子がソフィスケートして倫理的思想大系に発展させたものであるから、当時の「儒」にはまだシャーマニズム的なものが混在していたかもしれない。いかに孔子が「鬼神は敬して遠ざく」努力をしようとも、土俗的なものというのは簡単に払拭できるものではないように思う。


ところで、カウンタを置いてみた。はてなのカウンタは有料オプションなので、coolにある自前のCGIカウンタを使用。