ショカツ?もろかづら?

「諸葛」というと諸葛孔明の「ショカツ」かと思ってしまうが、国文では「もろかづら」。カツラの枝にフタバアオイをつけて頭にかざすもので、賀茂の祭りの時に使われるのだそうだ。

もろかづら 落ち葉を何に拾ひけむ 名は睦ましきかざしなれども
源氏物語』 若菜(下)

同じ姉妹だけどなぜ落葉のようなつまらない姉のほうを拾ってしまったのだろう」などとダンナの柏木にヒドい言われようをするのは女二宮。そしてけっきょく柏木は妹のほうの女三宮(光源氏奥さんなんだけど)に手を出して、薫(宇治十帖の主人公)が生まれてしまう。ヤることヤっておきながらビビッた柏木は病気になって死んじゃう。柏木ヘタレ。男運のない女二宮。
さらに柏木の友人だった夕霧(光源氏の息子)が女二宮にアタックをかけるのだが、拒まれると「世の中を無下に思し知らぬにしもあらじを (バージンでもないくせに!)」などという暴言を吐く。夕霧逝ってよし。それにしても男運のない女二宮。
まったく王朝文学ってやつは! どいつもこいつも支配階級としての自覚がないというか、ノーブレス・オブリージュの責任感に欠けたダメ貴族ばっか。平安時代ってまともな為政者ほとんどいない。そんなんだからやがて武士に国の支配権を奪われてしまうのだ。
源氏物語』の成立は11世紀初頭だが、12世紀末に武士による軍事政権(鎌倉幕府)が誕生して本当に良かった。『源氏物語』にでてくるようなダメ貴族どもの支配がずっと続いていたら、13世紀のモンゴル帝国の侵略を防げずに日本は滅亡していたしただろう。

平安時代が夢なんて〜あとからほのぼの思うもの〜♪