神様って何? その2

人間が神様を必要とするのは、この「世界」が無慈悲で理不尽で残酷だから。たとえば貧しく生まれ差別され尊厳を奪われた者に向かって、「たまたま運が悪かったのであきらめろ」と言っても納得はしないでしょ?法や社会に守ってもらえなくなった人達は結局「神」に頼るしかないんだ。でも逆に考えれば「神様」がいる限り「世界」は残酷なままだという事。
 遠藤浩輝 『EDEN』より

『EDEN』は遠藤浩輝自身が認めてるように『エヴァ』にインスパイアされて生まれた作品ですが、百凡の亜流『エヴァ』と一線を画すのは、理不尽で残酷な外的世界の現実を描いている点にあると思います。『EDEN』はけして内向的な「自分探し」の物語ではありません。そういう内向的な「自分探し」に浸っていられるのは日本が平和で豊かだからでしょう。
南米やイスラム圏でテロが起きたりすると「いつになったら世界は平和になるんだろう?」などとトボケたことを言う人がよくいます。「日本は憲法で戦争を放棄した平和国家」などとトボケたことを言う人がよくいます。まったく虫酸が走ります。
南米やイスラム圏でなぜテロが絶えないのか、戦争がなくならないのか、よく考えてから言ってますか?と言いたい。 日本の平和と繁栄が何の上に成り立っているのかよく考えてから言ってますか?と言いたい。


おなじく『EDEN』より、中国新疆ウイグル自治区反政府運動のリーダー マリハン・イサクのセリフ

世界中のみなさん。私たち、ウイグル人は長い間自分の国を持てませんでした。
今 ウイグル族は「中華人民共和国」という枠の中にいます。
しかし少なくとも私は「中国人」にはなれません。