曹操の漢詩にお絵描き

2003年の年賀状用に描いた絵を滴了庵のGALLERYにアップしました。魏の曹操が詠んだ漢詩『歩出夏門行』に、『十二国記』の延王尚隆を描いたものです。壮年を過ぎてなお壮心やまぬ曹操の詩に、不老の王・尚隆を重ねてみました。鉛筆、水彩を別々にスキャンしてPainterで仕上げました。
縮小版↓
歩出夏門行



三国志』で誰がいちばん好きか?と聞かれるといつも困ってしまいます。マイナーな名前をあげたいのがマニア心というものですが、あの時代、曹操という人があまりにも抜きん出て光っているので。
中華四千年の歴史の中でも、軍人として才と為政者としての才をあわせ持つ英君というのは意外に少ないのですが、曹操はその二つに加えて芸術家としての才も持つ天才です。曹操というと冷徹なリアリストというイメージが強いですが、漢詩というものを芸術の域に高めたのは曹操だといっても過言ではないと僕は思っています。

曹操を別格とするなら、荀紣がけっこう好きです。僕はどっちかというと曹操マキャベリズム肯定派で、儒教は嫌いなのですが、荀紣にはなんか惹かれます。
曹操の幕僚としてその覇業に大きく貢献しながらも、最後は滅びゆく儒教帝国・後漢への忠に殉じたところに、そこはかとなく男の色気を感じるのです。