赤壁の宴

藤水名子『赤壁の宴』を読んでみました。


……なんじゃこりゃー!!


一歩間違えれば「腐」。いや、一歩間違えなくても「腐」。
ひたすら孫策×周瑜。 こんなの、講談社文庫で出していいのか?
内容的にはホワイトハートの範疇ような。


とうてい、ここには引用しかねるようなセリフ多数。
「お前が女なら、思うさま(以下自粛
……オワットル。


「断袖」
……勝手にそんな腐った言葉使わないで下さい!!
孫策周瑜は「断金」でしょ!!
「断金」と「断袖」じゃ、えらい違いです!!


文章について言うと、「スマート」「バランス」「タイミング」など、英語を使うのは、たとえ地の文でも違和感があります。


また、「三国一の男」という表現がありましたが、これもおかしいです。「三国一」の三国とは、日本・中国・インドのことで、これは中世の日本独特の世界観に基づく表現なので、古代中国人が使うのはおかしいです。


まあ、さすがに、赤壁の戦いのような大事件は正史どおりに描かれてます。

曹操は、確かに漢の丞相を名乗っているとは申せ、
 その実体は漢に仇なす賊徒でございます」

なんかは、正史『三国志』呉書・周瑜伝の記述通り。原文は、

「操は漢の相を託名すと雖(いえど)も、其(そ)の実は漢の賊なり」



しかしこの本、同じ講談社文庫の陳舜臣宮城谷昌光のとなりに並べるのには抵抗があります。しかたないから井上祐美子を間にはさみました。(^^)