ノート:群、環、体

群 (Group)

復習→ ノート:群・モノイド・半群・マグマ(亜群) - 滴了庵日録

集合 G と 演算 ◦ の組 (G, ◦) が G0~G3をみたすなら群、G0~G1をみたすなら半群

  • (G0) 閉じている   ^{∀}a, b ∈ G, a \circ b ∈ G
  • (G1) 結合法則    ^{∀}a, b ∈ G, a \circ (b \circ c) = (a \circ b) \circ c
  • (G2) 単位元の存在  ^{∃}e ∈ G, ^{∀}a ∈ G, a \circ e = e \circ a = a
  • (G3) 逆元の存在   ^{∀}a ∈ G, ^{∃}a^{-1} ∈ G, a \circ a^{-1} = a^{-1} \circ a = e

さらにG4も満たすなら可換群(アーベル群)

  • (G4) 交換法則    ^{∀}a, b ∈ G, a \circ b = b \circ a

環 (Ring)

集合 R と 乗法・, 加法+ の組 (R,+,・) が R1~R3をみたすなら環

  • (R1) 加法について可換群である
  • (R2) 乗法について半群である
  • (R3) 分配法則  ^{∀}a,b,c ∈ R, a(b+c) = ab + ac, (a+b)c = ac + bc

さらにR4も満たすなら可換環

  • (R4) 乗法の交換法則  ^{∀}a, b ∈ R, a・b = b・a

体 (Field)

集合 K と 乗法・, 加法+ の組 (K,+,・) が K1~K2をみたすなら体

  • (K1) 環である
  • (K2)  K\backslash\{0\} が乗法について群をなす
  • これはつまり、ゼロ除算を除いて四則演算が可能であることを意味する
  • 有理数 Q、実数 R、複素数 C は体をなす
  • 整数 Z は乗法の逆元が1以外の元には存在しないので体をなさない

乗法の交換法則をみたす(つまり可換環である)必要があるかは定義による

  • 可換であるものを 体、そうでないのを 斜体 とよんだり
  • 可換であるものを 可換体、そうでないのを 体 とよんだり

ざっくり言うと

  • 群:足し算、引き算ができる
  • 環:足し算、引き算、掛け算ができる
  • 体:足し算、引き算、掛け算、割り算ができる

参考