ノート:全射・単射・全単射と準同型写像・同型写像

f:写像 (map)
X:定義域, 始域 (demain)
Y:終域 (codomain)
f : X→ Y

全射単射全単射

全射 (上への写像, surjection)

f(X) = Y
つまり  ^{∀}y ∈ Y, ^{∃}x ∈ X, f(x) = y
Y の全ての元を指す → があること

単射 (1対1写像, injection)

 ^{∀}x_1, x_2 ∈ X, x_1 ≠ x_2, f(x_1) ≠ f(x_2)
異なる → が Y の同じ元を指さないこと

全単射 (上への1対1写像, 双射, bijection)

全射でありかつ単射であること
つまり  ^{∀}y ∈ Y, ^{∃!}x ∈ X, f(x) = y
XとYの全ての元が1対1に対応していること
全単射であれば逆写像が定義できる

 f(x) = x^2

恒等写像と逆写像

恒等写像 (identity mapping)

f(X) = X
つまり ^{∀}x ∈ X, f(x) = x

恒等写像全単射である

写像 (inverse mapping)

全単射写像 f:X→Y には、逆写像 g:Y→X が一意に定まり
 f(x) = y ⇔ g(y) = x

g(f(x)) = x であり、g◦f は恒等写像となる

準同型写像

準同型写像 (homomorphism)

準同型写像とは、同種の2つの代数系(例えば群)の間の写像で、演算の構造を保つもの

(A, ◦) と (B, ・) の間の写像 f:A→B において
 ^{∀}x,y ∈ A, f(x◦y) = f(x)・f(y)

群G と 群G' の間の写像 f が準同型写像であれば、

  •  f(e) = e'      (単位元単位元にうつる)
  •  f(x^{-1}) = f(x)^{-1}  (逆元は逆元にうつる)

正の実数全体 R+ が乗法に関してなす群 (R+, ×) と
実数全体 R が加法に関してなす群 (R, +) に対して、対数関数 log は
 \log(a\times b) = \log(a) + \log(b)
よって log: R+ → R は準同型写像である
いわゆる「真数の掛け算は対数の足し算」というやつ

また、以下のように単位元単位元、逆元は逆元にうつる
log(1) = 0
log(1/x) = -log(x)

同型写像 (isomorphism)

同型写像をつくれたら2つの代数系は「同型である」といい、
A≅B のようにあらわす

前述の log: R+ → R は全単射であるから同型写像である

参考