ラジコン戦車の改造 (4)赤外線信号の解析

Waltersonsバトルタンクシリーズの赤外線信号をオシロで解析します。

変調周波数

変調周波数は、一般的な赤外線リモコンと同じ38kHzのようです。
図

信号フォーマット(バトルロイヤルモード時)

バトルタンクシリーズの赤外線バトルは、自分以外全員敵のバトルロイヤルモードと、Aチーム/Bチームに分かれて戦うチーム戦モードがあり、プロポのスイッチで切り替えられます。チーム戦モードの場合、フレンドリーファイアー(同士討ち)は無効となります。まず、バトルロイヤルモード時の信号を解析します。バトルロイヤルモードでは、VS TANKと信号の互換性があります。
図
上図のように、長いヘッダのあと、8ビットのデータらしきものが見えます。短いOFFと長いONのセットと、長いOFFと短いONのセットが0/1を表してると思われます。ヘッダの長さが6600usec、短いパルスの長さが550usec、長いパルスの長さが1650usecです。MSBファーストと仮定すると、データの値は5Bhと読めます。
これは、OpenPanzer.orgでのVS TANKの赤外線信号の実装と一致します。

信号フォーマット(チーム戦モード時)

ところが、チーム戦モード時の信号を測定したところ、上記の仮定は覆されてしまいました。


【チームAの場合】
図
【チームBの場合】
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上図のように、長いOFFと長いON、短いOFFと短いOFFという組み合わせが出現しました。WaltersonsがVS TANKの信号を独自拡張したのだとしたら、ちょっと理解に苦しむ仕様です。けっきょく、長いON/長いOFFを各々ビット値1、短いON/短いOFFを各々ビット値0と見なして16ビットデータとして扱うしかなさそうです。


マニュアルによると、実車の主砲口径によってダメージのポイントが3段階に設定されているようです。

  • 75-76mm口径: 15ポイント
  • 85-88mm口径: 20ポイント
  • 105-127mm口径: 30ポイント

今回、使用したT-34/85の主砲は85mm口径なので、上記の波形は20ポイントの攻撃の信号と考えられます。それ以外については手元に機体が無いので今のところ不明です。

結論

  • 変調周波数 = 38kHz
  • 信号フォーマット = ヘッダ + (OFFパルス + ONパルス)×8
  • ヘッダの長さ = 6600usec
  • 長いパルスの長さ = 1650usec
  • 短いパルスの長さ = 550usec
  • 長いパルスをビット値1、短いパルスをビット値0、MSBファーストの16ビット値と見なす
  • バトルロイヤルモード時の信号 = 669Ah
  • チーム戦モード時の信号は下表の通り
口径 ポイント Aチーム Bチーム
75-76mm 15ポイント 未調査 未調査
85-88mm 20ポイント 9589h B7ABh
105-127mm 30ポイント 未調査 未調査