Waltersonsバトルタンクシリーズの赤外線信号をオシロで解析します。
信号フォーマット(バトルロイヤルモード時)
バトルタンクシリーズの赤外線バトルは、自分以外全員敵のバトルロイヤルモードと、Aチーム/Bチームに分かれて戦うチーム戦モードがあり、プロポのスイッチで切り替えられます。チーム戦モードの場合、フレンドリーファイアー(同士討ち)は無効となります。まず、バトルロイヤルモード時の信号を解析します。バトルロイヤルモードでは、VS TANKと信号の互換性があります。
上図のように、長いヘッダのあと、8ビットのデータらしきものが見えます。短いOFFと長いONのセットと、長いOFFと短いONのセットが0/1を表してると思われます。ヘッダの長さが6600usec、短いパルスの長さが550usec、長いパルスの長さが1650usecです。MSBファーストと仮定すると、データの値は5Bhと読めます。
これは、OpenPanzer.orgでのVS TANKの赤外線信号の実装と一致します。
信号フォーマット(チーム戦モード時)
ところが、チーム戦モード時の信号を測定したところ、上記の仮定は覆されてしまいました。
【チームAの場合】
【チームBの場合】
上図のように、長いOFFと長いON、短いOFFと短いOFFという組み合わせが出現しました。WaltersonsがVS TANKの信号を独自拡張したのだとしたら、ちょっと理解に苦しむ仕様です。けっきょく、長いON/長いOFFを各々ビット値1、短いON/短いOFFを各々ビット値0と見なして16ビットデータとして扱うしかなさそうです。
マニュアルによると、実車の主砲口径によってダメージのポイントが3段階に設定されているようです。
- 75-76mm口径: 15ポイント
- 85-88mm口径: 20ポイント
- 105-127mm口径: 30ポイント
今回、使用したT-34/85の主砲は85mm口径なので、上記の波形は20ポイントの攻撃の信号と考えられます。それ以外については手元に機体が無いので今のところ不明です。
結論
- 変調周波数 = 38kHz
- 信号フォーマット = ヘッダ + (OFFパルス + ONパルス)×8
- ヘッダの長さ = 6600usec
- 長いパルスの長さ = 1650usec
- 短いパルスの長さ = 550usec
- 長いパルスをビット値1、短いパルスをビット値0、MSBファーストの16ビット値と見なす
- バトルロイヤルモード時の信号 = 669Ah
- チーム戦モード時の信号は下表の通り
口径 | ポイント | Aチーム | Bチーム |
---|---|---|---|
75-76mm | 15ポイント | 未調査 | 未調査 |
85-88mm | 20ポイント | 9589h | B7ABh |
105-127mm | 30ポイント | 未調査 | 未調査 |