中華なデジタル顕微鏡Andonstar ADSM301

中国製のデジタル顕微鏡を買いました。
AndonstarのADSM301という製品です。
アマゾンで15999円。アマゾン発送ですぐ届きました。

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良いところ

  • 5インチの本体画面 / HDMI出力(フルHD) / USB接続(720P) の3通りの使い方ができる。
  • マイクロSDカード対応でスタンドアローンでも撮影・録画できる。
  • これだけの機能でこの価格!

良くないところ

  • メーカーのサイトを見ても製品仕様が分かりにくい。
  • 本体の操作ボタンがペコペコで安っぽい。操作画面が古臭い。
  • 本体画面はチルトできない。 (もうちょい上向きであってほしかった)
  • 本体画面とHDMI出力、USB接続は排他利用。 (これはしかたないか)

Andonstarのラインナップ

昨今では中国製のデジタル顕微鏡がアマゾンでもいろいろ出回るようになりました。中でもAndonstarというメーカーの製品はユーザー数が多いようで、YouTubeでもレビュー動画がたくさん見つかります。アマゾンでもメーカーの公式ストアが販売しているので安心感があります。

Andonstarのデジタル顕微鏡は品種がたくさんあってラインナップがいまいち分かりにくいのですが、ポイントは、①イメージセンサの画素数 ②本体画面のサイズ ③HDMI出力の可否 ④USB接続の可否 ⑤価格 です。

AD206 AD208 ADSM301 ADSM302 AD407 AD409
イメージセンサ 2M 2M 3M 3M 4M 4M
画面サイズ 7" 8.5" 5" 5" 7" 10.1"
HDMI出力 × ×
USB接続 × × ×
価格 \13k \15k \16k \23k \25k \40k

まず、イメージセンサの画素数によってローエンドのAD20x、ミドルレンジのADSM30x、ハイエンドのAD40xに分かれます。AD20xは画面は大きいもののHDMI出力もUSB接続もできません。ADSM30xは画面は5インチと小さめですがHDMI出力、USB接続とも対応しています。AD40xは画面も大きくHDMI出力にも対応していますが、AD407はなぜかUSB接続には非対応。AD409は全部入りでWiFiにも対応したフラッグシップモデルといった感じです。

なのでそこそこの価格でUSB接続が欲しいならADSM30xになります。ADSM301とADSM302の差がいまいちよく分りませんが、ADSM302のほうがスタンドが大きく対物距離も大きくとれて倍率も高い(つまり作業スペースを広く取れる)っぽいです。またADSM302は本体画面をチルトできます。

私はコスパ重視でADSM301を選びました。

ADSM301の3通りの使い方

(1) 本体画面 (スタンドアローン)

モニタにもPCにも接続せず、本体単独で使うことができます。本体画面の解像度は854x480ですが、ハンダ付け作業にはじゅうぶんでしょう。
本体にはマイクロSDカードのスロットがあり、写真や動画を撮って保存できます。動画の解像度はフルHD(1920x1080)です。写真の解像度は設定で変更できます。

(2) HDMI出力

本体にミニHDMI出力端子があり、外部モニタに映像を出力できます。解像度はフルHD(1920x1080)です。モニタに接続すると自動でHDMI出力に切り替わり本体画面は消灯します。

(3) USB接続

本体にマイクロUSB端子がありPCに接続できます。専用ソフトもありますが、とくに何もインストールしなくてもWindows 10ではカメラとして認識しました。ふつうのWebカメラと同様にカメラアプリでの写真撮影や動画録画ができます。解像度はフルHDではなく、写真・動画とも1280x720になります。アプリの設定で録画の解像度をフルHDに設定することはできますが、カメラ入力の解像度じたいは720P固定です。
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専用アプリは寸法や角度などを計測するためのものです。Andonstarのサイトからダウンロードできますが、インストールしようとすると「WindowsによってPCが保護されました」というブルーの警告メッセージ。かまわず実行するとノートン先生が「疑わしい処理を遮断しました」のメッセージ。いちおうインストールされたアプリを実行してみると「MSVCR100.dllが見つからない」というエラー連発。無理してインストールする必要も無いかなと思います。

写せる範囲

写せる範囲は、スタンドを上げて対物距離を最大にしたときで25mm×14mm程度。
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スタンドを下げて対物距離を最短にしたときで、8mm×5mm程度。
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加えて最大4倍までのデジタルズームができます。(USB接続時は無効)

試しにハンダ付け作業に使ってみた

0.75mmピッチ端面スルーホール部品のハンダ付けを試してみました。じゅうぶん使えますね。本体画面を使うのが遅延なくかつ自然な視線の向きになって良いと思います。ただ、実体顕微鏡とちがって遠近感が無いため思いのほか糸ハンダが操りにくいです。これはちょっと慣れが必要かも。実体顕微鏡が双眼で立体視できるのはやはり重要なことでした。

所感

この性能のものがこの価格で買えるのが驚異的ですね。自分の使い方としては

の2つがメインになりそうです。

参考サイト