ヘッドレスでのセットアップと運用
ラズパイをヘッドレス(ディスプレイ、キーボード、マウスを接続しない)で使うためのセットアップ手順を以下にメモする。
- 母艦: Windows 10 の PC
- ラズパイ: Raspberry Pi 3B
- OS: Raspbian Stretch Lite
- SDカード: 16GB
OSイメージのダウンロードとSDカードへの書き込み
- RaspbianのZIPをダウンロードする。ヘッドレスで使うのでDesktop版でなくLite版を。
- ZIPからimgファイルを解凍する。
- DD for Windowsを使って、imgファイルをSDカードに書き込む。
シリアルコンソール接続
ラズパイへのログイン方法は
- ディスプレイとキーボードを接続
- シリアルコンソール接続
- 有線LAN接続
- WiFI接続
があり、この順に確実性が高い。まずは確実な方法でログインして設定していく。ただし、ディスプレイとキーボードはできれば無しですませたい。シリアルコンソール接続する方法は以下の通り。
dtoverlay=pi3-miniuart-bt
- SDカードをラズパイに挿入する。
- USBシリアル変換アダプタ(これとか)を用いて下図のようにラズパイとPCを接続する。IO電圧が3.3Vであることに注意。
- Tera Termなどのターミナルソフトを用い、USBシリアルポートを開く。
(ボーレートは115200) - ラズパイの電源を入れる。するとターミナルにコンソール出力が表示される。
- ログインする。(ユーザー名=pi / 初期パスワード=raspberry)
- ラズパイのユーザ名/パスワードは変更することが望ましい。手順はこちら
有線LAN接続
SSH接続の有効化
/boot/sshという空ファイルを作成して再起動するとSSH接続が有効になる。
sudo touch /boot/ssh sudo reboot
この操作はWindows上でおこなってもよいが拡張子の無いファイルなので要注意。エクスプローラ上では「ssh.」というファイルを新規作成するとsshというファイル名になる。
あるいは、raspi-configの「Interfacing Options」>「SSH」でも設定できる。
sudo raspi-config
固定IPアドレスの設定
有線LANに固定IPアドレスを設定するには /etc/dhcpcd.conf を下記のように編集する。ラズパイのIPアドレスを192.168.11.2、ゲートウェイのIPアドレスを192.168.11.1とする例である。母艦のWindows PCをゲートウェイとして、母艦のインターネット接続を共有することもできる。
(→参考ページ)
interface eth0 static ip_address=192.168.11.2/24 static routers=192.168.11.1 static domain_name_servers=8.8.8.8
SSHでログイン
- Tera Termなどのターミナルソフトを用い、SSHでラズパイにログインする。
- 固定IPアドレスであればそのIPアドレスでホストを指定する。
- DHCPであれば、DOS窓で arp -a コマンドを実行するなどしてIPアドレスを調べる。
(ラズパイのMACアドレスはB8:27:EBから始まる。) - または、最新のWindows 10であればmDNSに対応しているので、ホスト名での指定が可能である。その場合は raspberrypi.local と指定する。
- ログインできない場合、ラズパイで以下のコマンドを実行してみる。
sudo rm -r /etc/ssh/ssh*key sudo dpkg-reconfigure openssh-server
WiFi接続
- /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.confを下記のように編集する。
- Windows上で /boot/wpa_supplicant.conf を作成してもよい。
(ラズパイ起動時に/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.confにコピーされる。)
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev update_config=1 country=JP network={ ssid="WiFiのSSID" psk="WiFiのパスワード" }
sudo iwlist wlan0 scan | grep ESSID
raspi-config
下記コマンドでraspi-configを起動して種々の設定をおこなう。
sudo raspi-config
aptの更新
sudo apt-get update sudo apt-get -y upgrade
共有フォルダの設定 (samba)
sambaをインストールする。
sudo apt-get install samba sudo vi /etc/samba/smb.conf
smb.confのホームディレクトリ共有設定の記述を下記のように修正。
[homes] comment = Home Directories browseable = yes read only = no valid users = %S
sambaユーザを設定し、sambaのサービスを再起動。
sudo smbpasswd -a pi sudo systemctl restart smbd nmbd
たとえばIPアドレスが192.168.11.2であったら、Windowsのエクスプローラで \\192.168.11.2と入力すれば共有フォルダにアクセスできる。mDNSが利用できるなら \\raspberrypi.local でもアクセスできる。
ただし、ユーザー名がpiだとWindowsのユーザー名と異なるのでうまく共有フォルダにアクセスできない。そこでWindowsのDOS窓で下記コマンドを実行する。
net use \\raspberrypi.local\ipc$ /delete ←すでにアクセスして失敗した場合はまずこれを実行 net use \\raspberrypi.local\ipc$ /user:pi raspberry ←ラズパイのユーザー名とパスワード
このような面倒をさけるには前述のようにラズパイのユーザ名とパスワードを変更してWindowsと合わせた方が良い。