Visual Studio 2019でインストーラの作り方

Visual Studio 2019でのインストーラの作り方は下記の記事に詳しく説明されているが、
要点と注意点をここにメモする。

VisualStudio 2019 インストーラの作成方法 - Grow up

全体の流れ

  1. Installer Projects拡張機能をインストール (開発環境の準備)
  2. インストーラのプロジェクトを作成
  3. アプリの製品名/製造者名/バージョン番号などを設定
  4. インストールするアプリを設定
  5. デスクトップに置くショートカットを設定
  6. スタートメニューに置くショートカットを設定
  7. インストーラをビルド

(1) Installer Projects拡張機能をインストール

VisualStudioの [拡張機能の管理] で「Microsoft Visual Studio Installer Projects」をダウンロードしてインストールする。
※ VisualStudioの再起動が必要

(2) インストーラのプロジェクトを作成

アプリのプロジェクトを含むソリューションに、[追加]→[新しいプロジェクト] で「Setup Project」を選んで新規作成する。
※ 名前は「Setup」としておく(任意) 。するとインストーラのファイル名が「Setup.msi」になる。
 ファイル名を変えたければ、プロジェクトのプロパティページで [output file name] を変更する。

※ プロパティページとプロパティウィンドウは別物。

(3) アプリの製品名/製造者名/バージョン番号などを設定

「Setup」プロジェクトのプロパティウィンドウで下記の項目などを設定する。

  • ProductName : 製品名。Windowsの[アプリと機能]で表示されるアプリ名になる。また、デフォルトのインストール先フォルダ名になる。(※1)
  • Manufacturer : 製造者名。デフォルトのインストール先フォルダ名になる。(※1)
  • Title : タイトル。インストーラのファイルのプロパティで表示される。(※2)
  • Auther : 作成者名。インストーラのファイルのプロパティで表示される。(※2)
  • Version : バージョン番号。
  • Remove Previous Versions : インストール時に以前のバージョンを削除するかどうか。

※1 デフォルトのインストール先フォルダは、Program Files\Manufacturer\ProductName となる。
 これは後述する [Application Folder] のプロパティの [DefaultLocation] で変更できる。

※2 ProductName / Manufacturer と Title / Auther は似ているが、前者のほうが重要な意味を持つ。

(4) インストールするアプリを設定

※ ここからの設定が非常に分かりにくい。
「Setup」プロジェクトを右クリックして、[View]→[ファイルシステム]を選択すると、「File System (Setup)」が表示される。ここには3つの項目がある。

  • Application Folder : (通常は)インストールするアプリについて設定
  • User's Desktop : (通常は)デスクトップに置くショートカットについて設定
  • User's Programs Menu : (通常は)スタートメニューに置くショートカットについて設定

まず、[Application Folder] について設定する。[Application Folder] を右クリックして [Add] → [プロジェクト出力] を選択し、以下の項目を設定する。

  • プロジェクト : インストールするアプリのプロジェクトを選択する。
  • プライマリ出力 : 実行ファイル(EXEおよびDLL)のこと。最低限これが必要。
  • 構成 : 「Release Any CPU」を選択する。

(5) デスクトップに置くショートカットを設定

次に [User's Desktop] について設定する。

[User's Desktop] を選択して右側のペインの何もない所で右クリックして[新しいショートカットの作成] を選択すると「Select Item in Project」のウィンドウでが開く。[Lock in] で「Application Folder」を選択してから、下に表示される「プライマリ出力 from ~」を選んで [OK] する。

「Shortcut to プライマリ出力 from~」ができるので、名前を変更する。
※ ショートカットの名前になるので、通常はアプリ名(前述のProductNameと同一の名前)を設定する。

これのプロパティウィンドウの [Icon] を選んで [Browse] をクリックし、[Application Folder] を選択して、[Add File] でアプリのアイコンファイルを(ICOファイル)選択して [OK] する。これがショートカットのアイコンになる。
※ アイコンぐらいアプリのアイコンを自動で設定してほしい…

(6) スタートメニューに置くショートカットを設定

次に [User's Programs Menu] について設定する。

[User's Programs Menu] を選択して、[Add] から [Folder] を選んでフォルダを作成し、名前を変更する。
※ スタートメニューでのフォルダ名になるので、アプリ名か製造者名を設定する。
※ フォルダを作らない場合は、スタートメニューの直下にショートカットが作成される。

次に、このフォルダの下にショートカットを作成する。手順はさきほどの [User's Desktop] でのショートカットの設定と同様である。

(7) インストーラをビルド

このプロジェクトをビルドするとインストーラが生成される。


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