天皇はシャーマンキングか?

# Hさん 『天皇はShaman Kingとは別物では?じゃあ、何?って聞かれると結構定義が難しい。』

昨日は不敬な替え歌を書いてしまいましたが、天皇は本当にシャーマンキングか?と言われると自信がありません。邪馬台国卑弥呼は、シャーマンキングならぬシャーマンクイーンだと言えそうですが、天皇の場合は難しいですね。
天皇はシャーマンキング(巫王)ではなく、プリーストキング(祭司王)だ、という主張もあるようです。



どちらにしても神権政体(宗教指導者=政治指導者な、政教一致の政体)であることにはかわりはないですが、

  • シャーマン(巫)は霊交能力を持つ、神の依代(よりしろ)、霊媒預言者であるのに対し、
  • プリースト(祭司)は神を祀る祭祀(儀式)を執り行い、神と人民との仲介者となる、神の代理人といえそうです。



稲作農耕国家である古代日本にとって最も重要な神は、豊穣をもたらす太陽神アマテラスです。ゆえにアマテラスの子孫と称する天皇が神権政体の長となりました。さて、では天皇はシャーマンかプリーストかというと、微妙な感じがします。

  • 天皇は和名をアマツヒツギノスメラミコト(天津日嗣皇命)といいます。つまり、太陽神の霊を受けた統治者という意味で、自身が太陽神の霊の依代となるシャーマン的存在ですが、
  • 天皇はまた、アマテラスに対し、春には五穀豊穣を祈願し、秋には収穫を感謝する祭祀(祈年祭(きねんさい)と新嘗祭(にいなめさい))を執り行うプリースト的存在でもあります。



キリスト教に喩えれば、天皇は、神の子(キリスト)であると同時に、神の代理人ローマ法王)であると言えましょう。キリスト教では神の子は歴史上、イエス・キリストただ一人ですが、天皇の場合は大嘗祭(だいじょうさい)という即位の儀式によって太陽神の霊を受け、代々新たな神の子として新生するのです。