英語の「連結」について

僕もそうだけれども、多くの日本人は英語のリスニングが苦手です。理由はいろいろあるけれど、大きな理由として、

  1. 日本人は、あまり子音と母音を分離して認識しない。
  2. 英語には、前後の音節がつながる「連結(linking)」という現象がある。

この2つが災いしていると思います。


日本語の音節は基本的に1子音+1母音の開音節です。これは世界的に見てもかなり単純な音韻体系です。英語のような、複合子音(例:"strong"の"str")や、閉音節(子音で閉じる音節。例:"cat")がありません。このため日本語は音節の種類が非常に少なく(濁音、拗音を含めても100種類程度)、表記には、子音と母音に分析できない「かな文字」という1音節表音文字を用います。このため、日本人はあまり子音と母音を分離して認識していません。
一方、英語には閉音節の単語が多く、後に母音から始まる単語が来る場合、連続して発音される現象があります。これを「連結(linking)」といいます。日本語にはほとんど見られない現象です。
例えば、

Heaven is a place on earth.

ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース。

のように、はっきり区切られずに

ヘヴニザプレイソナース。

のように発音されることがあります。
もちろん、話者によって、場面によって程度の差はありますが、このような「連結」された発音の英語は日本人にとって、とても聴き取りにくいのです。
「連結」は、必ずしも早口のときに起こるとは限りません。上記の例文はベリンダ・カーライルの「HEAVEN IS A PLACE ON EARTH」という曲の一節ですが、この曲はそれほどテンポの速い曲ではないにもかかわらず、強い「連結」で発音されています。僕のリスニング力ではほとんど歌詞を聴き取れませんでした。