ストイック

存在するもの、生成しつつあるものがいかにすみやかに過ぎ去り、姿を消して行くかについてしばしば瞑想するがよい。なぜならすべての存在は絶え間なく流れる河のようであって、その活動は間断なく変わり、その形相因も千変万化し、常なるものはほとんどない。我々のすぐそばには過去の無限と未来の深淵とが口をあけており、その中にすべてのものが消え去って行く。このようなものの中にあって、得意になったり、気を散らしたり、または長く苦しめられている者のように苦情を言ったりする人間はどうして愚か者でないであろうか。


ローマ皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌス
「自省録」より

ストア派の克己主義・理性主義的思想って、初期仏典の釈尊の思想に少し通じるものがあるなぁと思う。日本では『正法眼蔵随聞記』が伝える道元禅師の言葉なんかもそうだけど、ああいう強靭な求道の意志にはとても憧れる。とても真似できないけど。・・・なんて言ったら禅師に叱られるか。

先聖必ずしも金骨にあらず。古人あに皆上器ならんや。
今生もし学道修行せずば、何れの生にか器量の物となり、不病の者とならん。