いまどきのRail-to-Rail(フルスイング)なOPアンプならあまり気にしないことですが、昔のOPアンプを5Vや3.3Vの単電源で使うとわりと思った通りになりません。このあたり、アナログ回路やってる人には当たり前の話でしょうが、僕はいままで実測して確かめたことがありませんでした。
そこでいまさらですが手持ちのOPアンプの入出力特性を測定してみました。OPアンプでボルテージフォロワ回路を組み、出力は無負荷とし、5Vおよび3.3Vの単電源で入力電圧に対する出力電圧を測定しました。
LM6142 (Rail-to-Rail OPアンプ)
じつに理想的な特性です。5V単電源の場合、0V~5Vの全範囲でリニアに見えます。
手持ちのOPアンプでは他にLMC6482も類似の特性を示しました。
RC4558 (両電源OPアンプ)
昔から定番の両電源OPアンプ「4558」です。今回はTI製のRC4558を使いました。
奇妙な特性ですね。5V単電源の場合、リニアな特性が得られるのはせいぜい1.5V~4.4Vの範囲です。両電源OPアンプはV-付近およびV+付近で出力が飽和します。さらに4558の場合、0.7Vあたりを境にとつぜん出力が反転します。この現象については下記の記事が参考になりました。
誤解の無いように言っておきますが、べつに4558をディスってるわけではありません。使い道を間違えてはいけないというだけのことです。
手持ちのOPアンプでは他にLF412CNも類似の特性を示しました。
LM358N (単電源OPアンプ)
昔から定番の単電源OPアンプ「358」です。今回はSTマイクロ製のLM358Nを使いました。
5V単電源の場合、リニアな特性が得られるのはおよそ0V~3.9Vの範囲です。Rail-to-Railでない単電源OPアンプはV-付近では飽和せずリニアな特性が得られますが、V+付近では飽和します。
手持ちのOPアンプでは他にNJM2902も類似の特性を示しました。
結論
マイコン回路への/からのアナログ信号には、Rail-to-RailなOPアンプを使うのが無難でしょう。