電子工作のための電動ドライバー

電動ドライバーというと電気工事士さんとか工務店さんとかが使うでっかいやつをイメージするかもしれませんが、最近は一見すると手回しドライバーと変わらないような小型のものが出てきています。


電ドラボール

中でも人気なのが、国産老舗メーカー、ベッセルさんが出してる電ドラボールです。人気商品なのでレビュー記事や動画はたくさんありますが、やはり電気工事界隈やDIY界隈のかたが多いようです。この記事では比較的小型で精密なものを製作する電子工作にフォーカスしてレビューします。

さてこの電ドラボール、同社の定番商品であるボールグリップドライバーをそのまま電動にしたようなフォルムで手になじみます。締めるときは着座寸前まで電動で回し、その後手回しで本締めをするかんじです。電動ドライバーというより電動アシストドライバーと考えた方がいいかもです。なので木材に木ネジをゴリゴリ打ち込むような用途には向きません。電ドラボールが威力を発揮するのは、そんなに力は要らないけど長いネジを何本も締めたり外したりするだるい作業です。おもちゃの分解とか組み立てがすごく捗ります。

ちなみに、4倍速い(トルクは弱い) 電ドラボールハイスピードや、回転数とトルクを3段階で切り替えられる電ドラボールプラスも出たらしいんですが、私はそれらは持ってません。

プラスのビット (よく使うのはむしろ1番)

この電ドラボール、ビット1本付きセットとビット5本付きセットがあります。1本付きの場合、付属するビットはプラスの2番です。まあ、プラスの2番は電気工事や家具組み立てでいちばんよく使うビットなんですが、電子工作でよく使うのはむしろプラスの1番です。別途プラスの1番を買うといいでしょう。5本セットだとプラスの2番が2本も入ってます。プロにとってはビットは消耗品なのでしょうが、電子工作で使うぶんにはそうそうビットを使いつぶすことはないでしょう。プラスの3番とかマイナスも私はあまり使いませんね。

手持ちのビットを使う

ビットは一般的な6.35mmの六角軸のものであればワンタッチで挿せます。手持ちのビットがあればそれを使うのも良いでしょう。ただし、ラチェット用のビットで根っこにロック溝がないものはロックされないので簡単にすっぽ抜けます。すっぽ抜けると危険な場面では使わないでください。

六角ビット

個人的にはマイナスドライバーより六角のほうがよく使います。電子工作だと1.5ミリから4ミリくらいを使うことが多いんじゃないでしょうか。色分けされてるやつが便利です。

精密ビット

精密ドライバーのビットはせいぜいプラスのゼロ番までですね。私はゼロゼロ番はまず使いませんし、電動だとすぐにネジ頭をつぶしてしまいそうです。

ソケットビット

電子工作では六角ボルトはあまり使いませんが、ナットを締めることはよくあります。ただし、電子工作でよく使うM3やM2のナットに対応したソケットビットってあまり見かけません。ミニ四駆で使うタミヤのボックスドライバーのビットがM2用ですね。(ただしロック溝なし)

ちなみにソケットの二面幅(対辺)とネジ径との対応は下記資料を参照してください。M2が4mm、M3が5.5mmになります。

その他のビット

トルクスドライバー? なんですかそれは? 林檎信者じゃないので分かりませんね。
というのは冗談ですが、実際めったに使いませんね。

まあ、よく使うビットは人によって違うので、自分がよく使うビットを選んで買いそろえれば良いと思います。よく使うビットをホルダーに挿して引き出しに入れておくと捗ります。ホルダーはビットとセットで売ってる場合もあります。(上記の六角ビット7本組とか)

ドリルビット

電動ドライバーはドリルとしても使いたいですね。電ドラボールはパワーがあまり無いので大きな穴あけや固い素材は無理ですが、ちょっとした穴あけには使えます。私は電子工作では2ミリと3ミリをよく使います。まあ、2ミリ未満の穴あけにはピンバイスを使うでしょうし、きっちり穴を開けたいときはボール盤を使いますよね。

所感

けっきょくのところ、この電ドラボール1本でなんでもかんでもというわけにはいきません。ただ、今まで手回しドライバーでだるい思いをしてきた作業が断然快適になります。