MIDIの Velocity と Expression について

困りごと

MIDIではノートの音の強さはノートオン時に Velocity で指定するが、バイオリンやフルートのような楽器の場合に、ノートの途中で音の強さを変化させるにはどうすればよいのか?

楽器の性質

打弦楽器(ピアノなど)、撥弦楽器(ギターなど)、打楽器(木琴、ドラムなど) は、音が鳴り続けることはなく、ノートオン直後から音は減衰していき、途中で音が強くなったりしない。いっぽうで、擦弦楽器(バイオリンなど)、管楽器(フルートなど)は、音を持続的に鳴らすことが可能であり (もちろん現実の楽器では弓の長さや肺活量など物理的な限界があるが) 、ノートの途中で音の強さに抑揚をつける奏法がありうる。

Velocity と Expression

しかし、MIDIでは Velocity はノートオン時のみに指定可能であり、ノートの途中で Velocity を変化させることはできない。そもそも Velocity とは鍵盤において ノートオン時の打鍵の強さ (実際には速さ) を示すパラメータであった。

これに対し、持続音に抑揚をつける場合には Expression を用いる。バイオリンでひと弓で演奏する音に抑揚をつけるには、Velocity を一定にしたうえで Expression を変化させる。

Expression を指令するコマンド

MIDIで Expression を指令するには Control Change メッセージで MIDI CC 11 を送る。値は 0~127 である。