欣求浄土のメランコリア

6月9日のRFくんの日記で、大学時代に僕が機械研の部誌に書いた詩が言及されてました。僕も久しぶりに読んだのですが、この中の「欣求浄土メランコリア」という詩(1998年作?)を読んで、僕って10年前からぜんぜん成長してないなあと思わされました。釈尊の厳しさの中に真実を認めながらも、御仏に救いを求めてしまい、かつそれが得られずに鬱になるという罠。これって八苦の一つの「求不得苦(ぐふとくく)」=「求めて得られない苦しみ」に他ならないんじゃないかなぁ。
RFくんが部誌からスキャンしてくれたもの↓
  http://www.geocities.jp/kikai_obog/notebook/licheng.htm
スキャン画像が判読しにくいのでテキスト化しました。↓

欣求浄土(ごんぐじょうど)メランコリア


「ここに私がいるからではなく
 あなた自身で安らぎを見つけなさい」 ※1
遠い昔にあなたは言った。
私は去りゆくあなたより
永遠(とわ)のあなたを求めてしまった
拒んだのは あなたではなく私のほう ※2


あなたが去って五百年 ※3
見果てぬ想いはつのり
西方浄土ファンタジー  幸せのある所よ ※4
すべては去りゆくと あなたは言ったけれど ※5
永遠(とわ)の安らぎを求めずにはいられない


求めれば求めるほど
うらはらなメランコリアにさいなまれ
それでも祈らずにはいられない


Om alolik ehyehi svaha 優しさよ ※6
Om sam jam jam sah svaha 輝きよ ※7
Om amrta teje hara hum 永遠よ ※8
愛を求めて 南無阿弥陀仏




(注)
※1 出典不明。(忘れた)
※2 『大般涅槃経(大パリニッバーナ経)』(≠『大乗涅槃経』)参照。
※3 紀元1世紀ごろ北インド大乗仏教が成立。
※4 「極楽浄土」にあたるサンスクリット語は「スカーヴァティー」で「幸ある所」という意味。
※5 いうまでもなく、諸行無常のこと
※6〜8 それぞれ、観音菩薩勢至菩薩阿弥陀如来サンスクリット語真言観音菩薩勢至菩薩阿弥陀如来を合わせて阿弥陀三尊という。