日本の女帝

同じ東洋の中国や朝鮮とちがって、日本には女帝が多い。ただ、江戸時代の明正天皇後桜町天皇を除くと、日本の女帝は古代の飛鳥時代奈良時代に集中している。最初の蘇我氏天皇である31代用明天皇から最後の天武系天皇である48代称徳天皇までの18代185年のうち、8代6人の女帝が即位し、在位年数は計およそ83年におよぶ。じつに半分近くが女帝の時代なのだ。さらに、45代聖武天皇の后である光明皇后もまた女帝に準ずる座にあったといえるかもしれない。以下、簡単にまとめ。

33代 推古天皇

554〜628(在位592〜628)
名をヌカタベノヒメミコ。号してトヨミケカシキヤヒメノスメラミコト。
蘇我馬子の姪。聖徳太子の叔母。3代続いた蘇我氏天皇の最後。
やたら長生きしたため、後を期待されてた聖徳太子のほうが先に死んでしまう。

35代 皇極天皇 重祚して 37代 斉明天皇

594?〜661(在位642〜645、655〜661)
名をタカラノヒメミコ。号してアメトヨタカライカシヒタラシヒメノスメラミコト。
天智天皇天武天皇兄弟の母。

41代 持統天皇

645〜702(在位690〜697)
名をウノノサララノヒメミコ。号してタカマノハラヒロノヒメノスメラミコト。
天武天皇の皇后。天智天皇の娘でもある。(あれ?)
天武天皇との間に生まれた草壁皇子皇位につけることに血まみれの執念を燃やすが、
けっきょく草壁は皇位につくことなく世を去る。

43代 元明天皇

661〜721(在位707〜715)
名をアヘノヒメミコ。号してヤマトネコ=アマツミシロトヨクニナリヒメノスメラミコト。
天武天皇持統天皇の子である草壁皇子の妃。天智天皇の娘でもある。(あれあれ?)

44代 元正天皇

680〜748(在位715〜724)
名をヒタカノヒメミコ。号してヤマトネコ=タカミズキヨタラシヒメノスメラミコト。
天武天皇持統天皇の孫娘。草壁皇子元明天皇の娘。聖武天皇の伯母。

光明皇后(45代 聖武天皇の皇后)

701〜760
名をアスカベヒメ。号して天平応真仁正皇太后
中臣鎌足(藤原鎌足)の孫。聖武天皇の皇后。史上初の皇族出身でない皇后。
聖武天皇は、天武系天皇だが、母方の曽祖父は中臣鎌足であり(あれ?)、最初の藤原氏天皇

46代 孝謙天皇 重祚して 48代 称徳天皇

718〜770(位749〜758、764〜770)
名をアベノヒメミコ。号して宝字称徳孝謙皇帝。また、タカノノスメラミコト。
聖武天皇の娘。最後の天武系天皇
怪僧・弓削道鏡とのぁゃιぃ関係で有名。


【参考書籍】
瀧浪貞子女性天皇』(集英社新書
千田稔『平城京遷都−女帝・皇后と「ヤマトの時代」−』(中公新書
笠原英彦『歴代天皇総覧』(中公新書