マイコンでEthernetを使いたい場合、ハードウェアの構成に3つのパターンがある。いずれの場合もRJ45ジャックにはパルストランス内蔵のもの(MagJackなど)を使用するものとする。
マイコンがEthernetのMACを持たない場合
この場合、SPI接続等でEthernetのMAC/PHYチップを外付けする。このような外付けMAC/PHYチップの代表的なものとして、WIZnet社のW5200やW5500がある。
例えば、Arduino UnoにEthernet Shield 2 (W5500搭載)を挿して使うような構成がこれに当たる。W5200やW5500の場合にはEthernetのMACのみならずTCP/IPやUDP/IPのプロトコルまで担ってくれるので、マイコン側の負荷が小さくてすむ。
マイコンがEthernetのMACを持つがPHYは持たない場合
この場合、EthernetのPHYチップを外付けする。マイコンとPHYとの接続にはMIIやRMIIという規格がある。このような外付けPHYチップの代表的なものとして、Microchip社のLAN8720A、LAN8742AやTI社のDP83848などがある。
EthernetのMACを持つマイコンの場合、外付けPHYチップとRJ45コネクタを搭載したマイコンボードが市販されている場合も多い。例えばNucleo-F767ZI (STマイクロ STM32F767ZI) や GR-SAKURA (ルネサスRX63N)などである。mbed LPC1768 (NXP LPC1768)はPHYは搭載しているがRJ45コネクタは搭載していないので外付けとなる。PHYとRJ45コネクタはTX+,TX-,RX+,RX-の4線で接続する。
マイコンの選択肢はかなり絞られ、ハイエンド寄りとなる。また、プロトコルスタックのライブラリなりミドルウェアなりが提供されていることが必須となる。