InnoSetupでQtアプリのインストーラ作成

やりたいこと

Qtで作成したWindowsアプリのインストーラをInnoSetupで作成する。

InnoSetupのインストール

下記コマンドを実行してInnoSetupをインストールする。 (本稿執筆時点でバージョン6.2.2)

winget install JRSoftware.InnoSetup

WindowsのノートPCでは文字表示が小さすぎて見にくい場合がある。その場合は、アプリのショートカットを右クリックして、[プロパティ]→[互換性] タブ→[高DPI設定の変更] で、[高いDPIスケールの動作を上書きします。] にチェックし、[拡大縮小の実行元] には [システム] を選択。

Qtアプリの配布用ファイルを集める

Qtのリリースビルドのディレクトリで下記のようなコマンドを実行する。

windeployqt --dir deploy 実行ファイル名.exe

すると必要なDLLなどが deploy フォルダに集まる。その他に必要なリソースファイルなどがあれば手動で deploy フォルダに集める。

InnoSetupでインストーラを作成

ウィザードを利用してインストーラを作成する手順を以下に記す。

  • InnoSetupを起動する。
  • Welcome : 「Create a new script file using the Script Wizard」を選択して「OK」

  

  • Welcome to the Inno Setup Script Wizard : 「Next」をクリック。

  

  • Application Information : アプリの名前とバージョンを設定する。他は空欄でも可。

  

  • Application Folder : インストールフォルダの名前を設定する。

  

  • Application Files : アプリの実行ファイルを指定し、さきほど作成した deployフォルダを追加する。フォルダを追加すると「Should files in subfolders of xxxx also be included?」と聞かれるので「Yes」と答える。またここで「Allow user to start the application after Setup has finished」にチェックするとインストール完了時にアプリが起動するようになる。

  

  • Application File Association : 関連付けるべきファイル種別があれば、ファイル種別名と拡張子を設定する。なければチェックしない。
  • Application Shrotcuts : スタートメニューやデスクトップにショートカットを作成するか設定する。
  • Application Documentaion : インストール中に表示すべきライセンスファイルなどを設定する。なければ空欄で可。
  • Setup Install Mode : インストールモード (「すべてのユーザー」か「このユーザーのみ」か)を設定する。インストール時に選択させることも可能。
  • Setup Languages : インストール時の言語を選択する。(複数選択可)
  • Compiler Settings : ① インストーラの出力先フォルダを設定する。空欄ならスクリプトと同じ階層に Output という名前のフォルダが作られる。② インストーラのファイル名を設定する。(拡張子は除く) ③ インストーラのアイコンファイルを設定する。空欄ならデフォルトのアイコンになる。④ インストール時のパスワードを設定する。不要なら空欄にする。

  

  • Inno Setup Preprocessor : チェックするとスクリプトが簡単になる。チェックを外すと手動でスクリプトを改変しやすくなる。
  • 「You have successfully completed」と表示されたら「Finish」をクリック。

  

  • 「Would you like to compile the new script now?」と聞かれたら「Yes」と答える。その後「Would you like to save the script before compiling」と聞かれたら「Yes」と答える。

  

  

参考