メモ:ヨハネ伝

特徴

  • 福音書のなかで最後に成立。(推定)
  • 他の3つの福音書とは構成も内容も大きく異なる。
  • 具体的な話よりも神学的な話が多く、謎めいた文章で分かりにくい。
  • ユダヤの立場で書かれており、ユダヤ的で、ユダヤ人への敵意が強い
  • エスを「神の子」として描く。
  • そのわりにイエスがヒステリックで、やたらアーメンアーメン言う。

あらすじ

プロローグ

(1) はじめに言葉ありき。
  エスヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受ける。
  洗礼者ヨハネの弟子であったシモン(=ペテロ)らを最初の弟子にする。

奇跡と問答編

(2) 婚礼で水をワインに変える。
  過越の祭りでエルサレムに上り、神殿で迷惑行為をはたらく。
(3) パリサイ人ニコデモと問答する。 (ミニバイブル)
  洗礼者ヨハネ、弟子たちにイエスについて語る。
(4) サマリア人の女と問答する。
  サマリア人たちが入信する。
  ガリラヤで役人の息子を治す。
(5) ベトザタの池で、安息日に多くの病人を治す。
  安息日についてユダヤ人たちと問答する。
  ユダヤ人たち、イエスを迫害しはじめ、殺そうと考える。
  エス、父なる神と子なるイエスについて語る。
(6) パンを増やす。
  湖の上を歩く。
  人々はパンを求める。
  イエス、「私が命のパンだ」と語る。
  失望した弟子たちが去る。

  イエス十二使徒たちに信仰を問う。
  ユダの裏切りを予見し、悪魔呼ばわりする。
(7) ユダヤ人からの迫害を避けてガリラヤにいたが、仮庵の祭りのためエルサレムに上る。
  安息日と割礼について、ユダヤ人と問答する。
  大祭司とパリサイ人たちがイエスを捕まえようとするが捕まらない。
  民衆、イエスについて意見が分かれる。大祭司ら、イエスを否定する。

(8) エス、姦淫の女を救う。
  「私が世の光だ」と語る。
  イエスを信じない者は罪のうちに死ぬと語る。
  ユダヤ人は悪魔の子だと語る。
(9) 盲人を治す。
  パリサイ人、盲人を審問し追放する。
(10) イエス、羊飼いのたとえをする。(「私が羊たちの門だ」「私が良い羊飼いだ」と語る。)
  宮清めの祭りのためエルサレムに上る。
  エス、自分が父なる神と一体であると語る。
  ユダヤ人たち、イエスを石で打ち殺そうとするが逃げられる。
(11) ベタニヤのマリヤ・マルタの兄弟ラザロが病死する。
  イエス、ラザロのためにふたたびユダヤへ向かう。
  「私が復活だ」と語る。
  ラザロを蘇らせる。
  最高法院の大祭司カヤパたち、イエスを殺す決意をする。
(12) ベタニアのマリヤがイエスに香油を塗る。
  過越の祭りが近づく。イエス、ロバに乗ってエルサレムに入城する。
  一粒の麦のたとえをする。最後の伝道。
  人々はイエスを信じない。
  イエス、伝道を総括する。

最後の晩餐編

(13) イエス、最後の晩餐のとき、弟子たちの足を洗う。
  イスカリオテのユダ、出てゆく。
  ペテロのつまづきを予言する。
(14) 戻って来ることを約束する。
  「私が道であり、真理であり、命だ」と語る。
  私を見たものは父なる神を見たのだと語る。
  聖霊の臨在について語る。
(15) 「私がまことの葡萄の木だ」と語る。
  互いに愛せよと語る。
  この世はあなたたちを憎むと語る。
(16) 迫害を予告する。
  聖霊が私の仕事を続けると語る。
  また会えると語る。
  父なる神の所に帰えると語る。
  すでに世に勝っていると語る。
(17) 父の栄光のために子に栄光をと祈る。
  弟子たちを守り聖別してくださいと祈る。
  信者全体が一つになりますようにと祈る。
  最後の祈りをする。

死と復活編

(18) エス、捕らえられる。
  アンナス(大祭司カヤパの舅)の審問を受ける。その後カヤパに引き渡される。
  ペテロ、他人のふりをする。ニワトリが鳴く。
  エス、総督ピラトに引き渡され、審問を受ける。
(19) ピラト、イエスを許そうと努力するが失敗する。
  イエス、十字架刑に処される。

  使徒ヨハネ(?)に母マリアを引き取るように遺言する。
  エス、死す。
  埋葬される。

(20) エスの墓がもぬけの殻。マグダラのマリアら、驚く。
  イエスマグダラのマリアの前に現れる。
  イエス、弟子たちの前に現れる。

  エス使徒トマスの前に現れる。

エピローグ

(21) エス使徒ペテロらの前に現れる。
  使徒ペテロの殉教を予言する。