全般
- Windows10 + MS-IME の環境では、キー入力するとアプリがフリーズする。
→Windows11にアップデートするか、Google日本語入力を使う。
ファイル構成
- .kicad_pro : プロジェクトファイル
- .kicad_sch : 回路図設計ファイル
- .kicad_pcb : 基板設計ファイル
- .kicad_prl : プロジェクトごとのローカル設定ファイル
- .kicad_sym : シンボルライブラリ
- pretty/ : フットプリントライブラリのフォルダ
- .kicad_mod : フットプリントライブラリ
回路図設計
- ラベルの概念がEagleとは別物。Eagleのラベルはワイヤのネット名を表示するものだが、KiCadのラベルは離れたワイヤどうしをつなぐ部品のようなもの。
- 意図的に未接続の端子は、空き端子フラグ(✕アイコン)を接続する。
- 電源のワイヤには電源フラグ (ライブラリの power / PWR_FLAG )を接続する。
- 「検査」→「エレクトリカル ルール チェッカー (ERC)」で設計をチェックする。
- 警告「シンボル'XXX'が、ライブラリ'YYY'のコピーと一致しません」の場合、「ツール」→「ライブラリからシンボルを更新」
- 「ツール」→「回路図から基板を更新」で基板設計に反映できる。
- PDF出力するには、「ファイル」→「プロット」で「出力ディレクトリ」を指定し、「出力フォーマット」は「PDF」を指定して「すべてのページをプロット」
基板設計
- 基板外形は Edge.Cuts レイヤーに描画する。
- 線幅やビア径などの既定値は、メニューの「ファイル」→「基板の設定」→「デザインルール」→「ネットクラス」で 「Default」のネットクラスの配線幅、ビアサイズ、ビア穴などで設定。
- ベタGND等の範囲は、ツールの「塗りつぶしゾーンを描く」で描く。
- ゾーンの塗りつぶし / 解除は、メニューの「編集」→「すべてのゾーンを塗りつぶし」/「すべてのゾーンの塗りつぶしを解除」
- 選択したゾーンの塗りつぶしは、ゾーンを選択して右クリック→「ゾーン」→「選択したゾーンの塗りつぶしを解除」
- 「検査」→「デザインルールチェッカー」(DRC) で設計をチェックする。
- 「フットプリントがライブラリのコピーと一致しません」という警告 → フットプリントを選択して、「検査」→「ライブラリとフットプリントを比較」で不一致の内容を確認したのち、「ツール」→「ライブラリからフットプリントを更新」
- DRCのパラメータは「ファイル」→「基板の設定」→「デザインルール」→「制約」で設定する。利用する基板製造サービスで規定されているデザインルールに合わせて設定する。余裕を見て下記のように設定しておけばたいてい大丈夫 (※個人の見解です。)

部品ライブラリ
- シンボルライブラリの追加は、シンボルエディタのメニューから「ファイル」→「ライブラリを追加」で、.kicad_symファイルを選び、「グローバル」または「プロジェクト」ライブラリとして追加。
- フットプリントライブラリの追加は、フットプリントエディタのメニューから「ファイル」→「ライブラリを追加」で、.prettyフォルダを選び、「グローバル」または「プロジェクト」ライブラリとして追加。
- Eagleのライブラリを変換するには、Eagle側で必要な部品を回路図(.sch)/基板(.brd)に乗せて適当な名前で保存し、KiCad側のメインウィンドウで、「ファイル」→「KiCad以外のプロジェクトをインポート」→「Eagleプロジェクト」でそれらをインポートして保存する。
- すると、保存先のフォルダに .kicad_sym ファイルと .prettyフォルダが出来るので、これを利用する。
- ライブラリを直接変換できる Eagle2Kicad というツールもあったが、10年も前に更新が止まっており、現行のKiCad(バージョン6移行)のライブラリ形式に対応していない。
ガーバー出力
- 「ファイル」→「プロット」でガーバー出力のためのダイアログが出る。
- 「含めるレイヤー」は、F.Cu / B.Cu (導体層)、F.Silkscreen / B.Silkscreen (シルク層)、F.Mask / B.Mask (はんだマスク層) 、Edge.Cuts(外形)、および必要なら F.Paste / B.Paste (はんだ層)
- 「ドリル/配置ファイルの原点を使用」の設定は、後述するドリルファイルの設定と合わせること。
- 「Protelの拡張子を使用」をチェックすると、レイヤーごとに拡張子を変える。
- その他、基板製造サービスの規定に合わせて適宜設定して「プロット」ボタンをクリックするとガーバーファイルが出力される。
- 続けて「ドリルファイルを生成」ボタンをクリックするとドリルファイル出力のためのダイアログが出る。
- 「原点」の設定は、前述のガーバー出力の設定と合わせること。
- 必要なら「マップファイルを生成」にチェックする。
- その他、基板製造サービスの規定に合わせて適宜設定して「生成」ボタンをクリックするとドリルファイルが出力される。
面付け
- KiCadのメイン画面からではなく、PCBエディター (PCB Editor)を直接起動する。
- 「ファイル」→「基板を追加」で面付けしたい基板のファイル(.kicad_pcb)を開く。
- 外形線を修正する。
JLCPCBに発注する場合
- JLCPCBプラグインのインストールすればガーバー出力が簡単になる。
- KiCadのメイン画面で「プラグイン&コンテンツ マネージャー」をクリック。
- 検索欄に「JLC」と入力し、「Fabrication Toolkit」の「インストール」をクリック。
- 「保留中の変更を適用」をクリック。(分かりにくいが、これをしないとインストールが始まらない。)
- PCBエディターのツールバーに Fabrication Toolkit のアイコンが追加される。
- これをクリックするとガーバー等を出力するダイアログが出る。
- オプションは特に変更する必要ない。「Apply automatic translations」と「Apply automatic fill for all zones」だけチェック。
- 「Generate」ボタンをクリックするとガーバーファイル等が出力される。