ロボゴング4レポート

先日参加したロボゴング4では、じゅうぶんな性能のロボットを用意できず、結果は残念ながら一回戦敗退でしたが、とても刺激になり、いろいろ情報も得ることができました。今日はロボゴング4の所感、得られた情報などについてレポートします。(いちおう写真掲載は遠慮しておきます。)



shagaくんも「ロボゴング観戦」で書いているけれども、この大会では、市販キットのロボットとソフトを使って、モーションをチューンしたものが主流です。マイコンのプログラムをC言語/アセンブラレベルで書いてる人はごく少数派でした。ロボットコンテストというより、ラジコンの大会に近い雰囲気でした。とはいえ、いろいろ面白いことをやってる人たちもいて、いろいろ知見を聞き出すこともできました。以下、箇条書きします。

(1) ロボット本体

(2) ロボットの機構、サーボ

  • 市販ロボットには腰の回転(ヨー軸)が無い。改造で腰を回転できるようにすると、ちょっと自慢できる。
  • イトーレイネツ製のブラケットでオリジナルの機構を。
  • 足の裏にサーボ回転面を持ち、すり足で方向転換する機構。
  • 平行リンク機構で腕を伸縮させて、パンチを繰り出す機構。
  • 近藤科学のサーボでは、4014が最強(40.8kg・cm)。4013が最速。2350も強力(29.5kg・cm )。KHR-2に使われているのは788(10.0kg・cm)。
  • 強力サーボは熱くなるのでヒートシンク(PCパーツ)をつける。
  • サーボのトルクが弱い場合、輪ゴムやスプリングの張力、圧力で中腰姿勢時の負荷を助ける。

(3) 無線操縦

  • 無線操縦はキットのラジコンプロポ(25MHz帯、27MHz帯、40MHz帯)が主流だが、Bluetoothを使ってる人たちもいる。
  • Bluetoothは、Best Technology製のモジュールを使っている人が多い。2個(送受セット)で4万円する。
  • Pirkus・R Type-01は、Bluetoothモジュール搭載。au BREW搭載携帯電話から操作が可能。もちろんBluetooth USBドングルを用いてPCからも操作できる。Bluetoothモジュール単品でも販売している。かなり小型。
  • プレステのワイヤレスコントローラを使っている人たちもいる。無線はBluetoothと思われる。プレステコントローラの有線信号仕様はよく知られているので、これを232C信号に変換してマイコンのシリアルポートにつなぐ。
  • PS2キーボード信号を232C信号に変換してBluetoothモジュールにつないでいる人も。
  • ZigBeeという、Bluetoothに似た無線を使っている人も。(Bluetoothよりも低速で伝送距離も短いが省電力)

(4) 3D-CAD

(5) モーション作成ソフト

  • HeartToHeart:KHR-1/2純正のモーション作成ソフト。なんとなくメイドロボットを作りたくなるような名前(笑)。...すみません。
  • KZR EDITOR:KHR-1ユーザーのかず氏が作成。KHR-1とデータ互換性を持ち、HeartToHeartより高機能。3Dポリゴンによるアニメーション表示が可能。コピー&ペーストなどの編集機能も充実。定義ファイルをカスタマイズすれば、どんな形状のロボットにでも使える。

(6) その他のパーツ

  • ジャイロセンサー:姿勢安定化のために使用。近藤科学のKRG-2(KHR-1用。現在小売店在庫のみ?)、KRG-3(KHR-2用)などがある。ラジコン飛行機/ヘリ用のものを流用している人も。北朝鮮に持って行くことは禁じられている。
  • リポ電池:リチウムポリマー電池のこと。エネルギー密度が高い、つまり軽量な電池。ただし可燃性で取り扱い注意。最近ではラジコンに使われるようになったので、ラジコンパーツ店で入手できる。

(7) ユニークなロボット

  • dwarf type-H:いずみかわさんのロボット。木製。3D-CADを用いた設計でユニークな形状。スプリングを用いた姿勢の安定(ジャイロなど使わず)。マイコンはAVR2個のみ。CADはPro/DESKTOP Expressを使用。
  • Echo:りひとさんのロボット。これまた3D-CAD設計による木製ロボットでユニークな形状。CADはPro/DESKTOP ExpressとAutoCAD併用。七輪でアルミ鋳造をするという、Hさんのような人。Miyata's Robot Factoryの存在を教えていただいた。これはすごい。

(8) 小型ロボット