DC電源と6つのスイッチング素子からなる三相インバータでACモータを駆動することを考える。
下図上段のような単純な120°位相ずれの正弦波の相電圧(ただし実際にはPWM変調)をインバータが出力すると、モータのコイルにかかる線間電圧は下段のようになる。DC電源電圧の√3/2倍 = 86.6% の振幅しか出せない。(※後述のメモ参照)
これに対し、下図上段のような一見すると珍妙な相電圧を出力すると、線間電圧は下段のような正弦波になり、DC電源電圧の100%の振幅を出すことができる。
これが空間ベクトル変調(SVM)の黒魔術であり、「三次高調波注入 (Third Harmonic Injection)」と呼ばれる。
メモ