初音ミクの音声学



初音ミクの発音は、基本的にはカナ入力ですが、独自の発音記号で編集できます。
この初音ミク発音記号、おそらくIPA(国際音声記号)をもとに英数字だけで表現できるように工夫されたもので、なかなか良く考えられていると思います。
ただ、ヘボン式ローマ字ぐらいしか知らない一般の人にはたぶん不可解でしょうね。

  • なんで「ひ」は「hi」じゃなくて「Ci」なの? →「ひ」の子音は[h]ではない。
  • なんで「ふ」は「fu」じゃなくて「p\u」なの? →「ふ」の子音は[f]ではない。
  • なんで「う」が「u」じゃなくて「M」なの? →「う」は[u]ではない。
  • なんでイ段だけ子音に「'」が付くの? →口蓋化という現象のため。

などの説明が書いてないので音声学の基礎知識が無いと戸惑ってしまうのではないかと思います。
訓令式ローマ字は不正確で、ヘボン式ローマ字は正確な発音を表してると誤解してる人もいると思いますが、ヘボン式ローマ字はしょせん英語圏の人に読みやすい表記というだけであって、日本語の音素の音価を正確に表現しているわけではありません。
日本語の音素を表すならヘボン式より訓令式の方が合理的であり、物理的な音価を正確に表すならIPAでしょう。ヘボン式がスタンダードになってるのは現実的な妥協だと思います。