オブジェクトとサンスカーラ

諸行無常の「行」は、サンスクリット語でサンスカーラという。「形成されたもの」の意。
このサンスカーラというのは、計算機にたとえればオブジェクトのごときものではないかと思う。


CBitmap* MyBitmap;
MyBitmap = new CBitmap;
delete MyBitmap;
このようにオブジェクトは生成され消滅するというけれども、
newされたといっても計算機の中になにか本当に物体が出現するわけではない。
deleteされたといっても計算機の中からなにか本当に物体が消失するわけではない。
オブジェクトがnewされようがdeleteされようが、ただそこに存在するのはメモリの海である。
オブジェクトとはメモリ上のアドレスに人間が線引きし、名づけ、意味付けしたものに過ぎない。


オブジェクトは生成・消滅して永遠ではない。諸行無常(サルヴァ サンスカーラ アニティヤ)
しかしメモリそのものは生成も消滅もしない。不生不滅(アヌトパンナー アニルッダー)

引き寄せて結べば柴の庵かな 解けねど元の野原なりけり

庵がオブジェクト、野原がメモリ。