君を想ひて

僕の実家は奈良斑鳩の三室山の麓にあります。三室山はとても小さな山ですが、春は桜、秋は紅葉の名所です。百人一首にも『嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり』とうたわれています。
三室山は今年も桜色に染まっています。丸い山なので、遠目に見るとまるで桜餅のようです。それでは僕も一首詠んでみましょう。

ゆるやかに桜舞ひ散る風淡く 春の心に君を想ひて

在原業平の『世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし』からの本歌取りですが。僕は現代短歌よりも和歌の世界のほうが好きです。